第一章 《そのもの閃光の如く》

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第一章 《そのもの閃光の如く》

――某国、古代遺跡―― 「・・・ふぅ」 ――深夜―― 一人の少年が遺跡の石柱に背をもたれかかっていた。 風貌は黒髪に青い瞳。顔はそれなりに整っている。 この少年の名はレイ。 左腰には日本刀を刺していた。 「・・・遅いな」 レイは先にある『目的物』を回収に向かった仲間を待っていた。 もう既に二時間はたっており、それでも帰ってくる気配は無かった。 だが、 「んっ・・・」 チャキッ レイは左腰に刺している日本刀を握る。 そして、 「・・・誰だ!!」 ズドォッ!! 銃声が鳴り響き、レイが背もたれていた石柱の一部が砕ける。 「威嚇も無しかい・・・!!」 トッ レイは走り出し、 ドンッ ドンッ ガキィンッ!! 「危なっ」 銃弾を避けていく。 (・・・正確に急所を狙って撃ってくるな・・・なら) シャッ レイは走りながら刀を抜き、 「ちっ!!」 ズバァッ!! 石柱に向かって横薙ぎの一閃を放つ。 すると、 ズズ・・・ズガァア!! ボフッ!! 徐々に下に移動した石柱は地面によって砕け落ち、大量の土埃が生まれた。 土埃はレイを覆い隠し、視界が遮られた。 「何!?」 (しまった・・・!!) レイから15メートル程離れた場所に、スコープライフルを構えた女がいた。 (逃したか・・・!?) 女はライフルを戻し、土埃に向かって行った。 本来ならもう少し様子を見るか、立ち去るかだが、相手はかなりのプロ。すぐにこの場を離れているはずだった。 念のために二丁拳銃を持ち、接近戦に備える。 「どこだ・・・」 女は残り8メートル程の距離まで行くと、土埃は消え去り、 「なっ・・・!?」 「・・・撃・・・」 レイが刀を鞘に納め、『居合』の形の状態からさらにしゃがみ込み、 「くっ・・・」 ズドォッ 女はレイに向かって発砲する。 だが、 「剣!!」 ビュッ レイは銃弾にかすりもせず、高速に女の懐まで移動し、 ガキィッ!! 「がっ!?」 女の二丁拳銃のみ、抜剣して斬り裂き、 「ふっ!!」 ズドォッ 「がはっ!?」 女の腹目掛けて強力な蹴りを放つ。 バタッ
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