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彼女が壊れてから一週間くらい経っただろうか。
俺はほとんど飲まず食わずで、綿の零れた布団にくるまって泣いていた。
暴れる体力はなくなり、叫ぶ喉は潰れ、後悔する気力も尽き果て、ただ流れる涙が頬を濡らす。
もうこんな世界に興味なんてない。
彼女のいない世界なんて滅べばいい。
彼女を壊した俺なんて消えればいい。
そんなとき、視界に映ったのは破り捨てた文庫本の表紙。
タイトル、タイムマシン。
そうか、戻ればいいんだ。彼女を壊す前に。
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