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「っわぁ……」
僕が驚きの声を上げると、
「ほぅ……」
健が満足気な声をこぼし、
「綺麗……」
坂村さんが感嘆の声を漏らした。
それくらいに、船内のエントランスホールは見事な物だった。
壁は一面白に多少のくすぶった灰色の混じったいかにも高級そうな大理石。床には深紅の絨毯が隙間なくピッチリと敷かれており、天井には今まで見たこともないような豪華なシャンデリアが中央とそれを囲むように周りに6箇所設置されてあった。
更にはホールの真ん中やや奥から幅の広い金色の手すりがある階段がそびえている。その階段は、壁にぶつかった所から2つに分かれ伸びており、左右対称として美しく自身を輝かせていた。
「ホント凄いな……」
もう一度僕が驚くと、
「マジでタダなのか?俺達不法侵入じゃないだろうな」
健が冗談混じりに皮肉り、
「え!?悠輔君そうなの!?駄目だよ!」
と、やっぱり坂村さんが若干ボケた発言を向けた。こんな発言を真剣な顔で真面目に言うもんだから、こっちとしては返答に困るばかりである。
「や、まぁ、ハハハ……。と、とりあえず、部屋に行こうよ。まずはそれからだ」
話を変えた僕を健がニヤニヤしながら見ていたが、気づかないふりをして僕は歩き出した。坂村さんも健もそれに続いた。
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