第1話:3枚のチケット

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 その後3日間は、このチケットをどう生かそうものかと真剣に考えた。  最初は男友達と行こうと考えていた。船に揺られて、バカやって、都会や古き伝統建設物を見てバカやって……。うん、良いじゃないか。結果的にバカしかしてないが、そうやってみんなしてたまにハメを外すのも悪くないと思った。  でもあれだ。せっかくの旅行なんだ。やっぱり男友達と行くより、クラスの気になるあの子と行った方がいかにも青春らしくて良いんではないのか?  2日目頃からそんなことを考え出した。 ハメなんていつでもどこでも外せる。何も旅行で外すこともない。ならばやはり、ここはクラスの気になるあの子を誘うべきだろう。いや、そうするべきなのだ。  3日目でその決意はほぼ固まっていた。  そして今日、ついにその気になるあの子にこのチケットを渡す決心をしたのだ。
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