騒がしい序章

10/14
前へ
/79ページ
次へ
「はぁ…やっと終わった…」 日がすっかり傾き、夕方になった頃、俺はようやく校舎から抜け出すことに成功した。 いや、ちゃんと宿題はやったからな? 「もう4時か…」 ポケットから携帯を取出し開き、ディスプレイを見ながら一人呟く。 デジタルの文字は時刻の他にも、“新着メール2件”と表示されていた。 「メールだ……誰からだ?」 歩きながらそう言って、ポチポチと携帯を操作する。 受信ボックスを開くと、ちょうど1時間前に、和也から1件、広告メールが1件届いていた。 とりあえず広告は無視して、和也からのメールを開く。 『宿題は終わった? お前のことだからあと1時間くらいかかるか。 明日は遅刻しないようにな!』 「ははっ。和也らしいメールだな」 言いながら返事もしないで携帯を閉じてポケットにしまう。 「さて、と……このまま家に帰っても暇だからな……ちょっと街にでも出掛けるか」
/79ページ

最初のコメントを投稿しよう!

43人が本棚に入れています
本棚に追加