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「はぁ…やっと終わった…」
日がすっかり傾き、夕方になった頃、俺はようやく校舎から抜け出すことに成功した。
いや、ちゃんと宿題はやったからな?
「もう4時か…」
ポケットから携帯を取出し開き、ディスプレイを見ながら一人呟く。
デジタルの文字は時刻の他にも、“新着メール2件”と表示されていた。
「メールだ……誰からだ?」
歩きながらそう言って、ポチポチと携帯を操作する。
受信ボックスを開くと、ちょうど1時間前に、和也から1件、広告メールが1件届いていた。
とりあえず広告は無視して、和也からのメールを開く。
『宿題は終わった?
お前のことだからあと1時間くらいかかるか。
明日は遅刻しないようにな!』
「ははっ。和也らしいメールだな」
言いながら返事もしないで携帯を閉じてポケットにしまう。
「さて、と……このまま家に帰っても暇だからな……ちょっと街にでも出掛けるか」
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