騒がしい序章

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という訳で街にまで来た俺は、あてもなくゲーセンに行ったりCDショップに行ったりしていた。 いろいろ出回った挙げ句、最終的には商店街を彷徨っている。 「ん~……結構時間は潰せたかな?」 気付けば日は既に沈んでいて、空には星が輝いている。 時刻を見れば、既に7時30分だ。そろそろ腹が減る時間である。 「よし、後は適当に食材でも買って行くか」 そう言って、スーパーにでも立ち寄ろうと歩きだした時、あるモノが目に入った。 「募金お願いします!世界には困っている人が沢山います!」 それは単なる募金活動だった。 “世界の困った人々を”助けるなんていう少し胡散臭いことが書かれた募金箱を持った少女が、募金活動をしていた。 (こんな時間なのに、よく頑張るなぁ) そんなことを考えながら、その募金少女の前を通り過ぎようとした、まさにその時、 「あ、あの、すいません!募金お願いします!」 「……んぁ?」 いきなり、少女に呼び止められた。 あまりにもいきなりだったので、俺は思い切り間抜けな声をあげてしまった。 ……我ながら情けないぜ…… まぁそれはさておき、 「悪いけど、俺は今ちょっと急いで――」 「お願いです!ほんの少しでいいですから!!」 俺の言葉を遮り、少女はそう言ってきた。
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