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「おっすアキラ!新学期早々から遅刻かよ!」
このちょっと騒がしい男の名前は藤島 悠太(フジシマ ユウタ)
少し長い茶髪とピアスが印象的なちょっとカッコイイ男だ。
悠太は、俺に近づいて来るや否や、バンバンと俺の両肩を叩いてきた。
「うるせーな…誰も起こしてくれる人が居ないんだから仕方ないだろ」
と、そんな会話をしていると、もう一人の男が口を開いた。
「つまりは寝坊か…アキラらしいな」
こっちは桐生 和也(キリュウカズヤ)
顔よし、勉強よし、スポーツよしの三拍子揃った、悠太曰く「神の子」だ。
男のクセに女みたいにサラサラした、ちょい長めの髪と爽やかな笑顔が印象に残る奴だ。
俺は、少し呆れ気味の和也に複雑な表情をしながら言葉を発した。
「…誉められてるのか、けなされてるのかわからないっつーの」
「まぁ…一応誉めてるかな?」
一応ってなんだよ一応って?
まぁとにかく、この二人と絡むのが俺の学校での日常だ。
この二人とは1年の時に同じクラスだったので、その頃から結構絡んでいた。
今では休日の日も一緒にゲーセンに行ったり、長期休日の時はこの三人の誰かの家に泊まったりもしていた。
「そういやアキラ」
「…ん?」
不意に悠太が話し掛けて来たのを疑問系で返すと、悠太の口からは、信じられない言葉が出てきた。
「宿題やったか?」
「…………は?」
今なんと…?
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