騒がしい序章

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「だーかーらー!宿題だよ、春休みの宿題!」 「宿題って…そんなもんあったか?」 俺が冷や汗をかきながら尋ねる。すると、悠太の代わりに和也が口を開いた。 「あっただろ?春休み前に先生に配られたじゃないか」 「…まったく記憶にないんですけど…」 冷や汗がさらに増える。 そして、またまた追い打ちをかけるように和也が呆れ顔で、 「どうせ、アキラのことだから、“ギリギリで終わらせればいいや”、とか思いながら鞄に入れてそれっきりなんじゃないか?」 …そう言われれば春休み前に何かのプリントの束をもらったような… 気付けば冷や汗は滝のように流れていた。 そして悠太が“確かめてみろよ”と言うので、俺は恐る恐る鞄を机に置いてチャックを開ける。 ゴソゴソと探る音をたてながら、それらしき物を探す。 出来れば見つからない方が俺的には嬉しかったが、神様は意地悪だった… 「もしかして…コレ?」 何かプリントの束を見付けたので俺はそれを手に取り二人に見せる。 そのプリントの束の表紙には明らか“春休みの課題”と書かれており、これが宿題ということを物語っていた…
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