騒がしい序章

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「おー!それだよそれ」 その束を見た悠太が半ば嬉しそうにそう言った。 それに続き和也が、 「なぁアキラ…やっぱりそれって…」 「あぁ…春休み中ずっと放置していたから全くやってない」 「だよな…」 もはや何も言えないのか、和也は呆れた様子で額に手をあてていた。 まぁ呆れられるのも無理ないかもな… 「ドンマイだなアキラ!それ提出しないと今日は帰れないみたいだぞ?」 「はぁ!?なんだよそれ!」 悠太からされた死刑宣告に、俺は思い切り問い詰めた。 「それも、春休み前に先生が言ってただろ?」 「マジかよ…」 俺が絶望していると、悠太が勝ち誇った表情で、 「ちなみに俺は昨日、和也から宿題を借りて写したからモーマンタイさ」 「なんだとっ!?お前裏切るのかよ!?」 「フッ…忘れているお前が悪いのさ」 と、悠太が言った瞬間に、なにやら“ゴツン”という鈍い音が聞こえた。 気付けば、悠太の脳天には和也の拳骨が振り下ろされていた。 「いってー!いきなり何すんだよ和也!」 「俺のを写したお前が言えることじゃないのに言ったからつい…」 「ついってなんだよ!?」 …まぁなにわともあれ、これが俺の日常… 彼女が居ない暦16年の俺には、デートをする彼女も居ないので、物足りなく感じるかもしれないが、今の俺にはこれで十分なんだ。 「そういやアキラ、宿題はどうするんだ?」 「………あ」 和也のその一言で、俺は再び絶望するのであった…
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