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「えっ……?名前…ですか?」
よく理解していないのか、キョトンとした表情で女子が尋ねて来る。
それを見て、俺は“人見知り”なのかなと思いながら、
「そ。お互い名前も知らないし、名前がわかんなきゃ話しにならないだろ?」
と言った。
すると、女子は少し考えた仕草をしたあとに、少し照れくさそうにして、口を開いた。
「桜井……美咲」
「へぇ……なんか季節感があって良い名前じゃん」
率直な感想を述べながら、俺は目の前の女子……桜井へと近付いていく。
その瞬間、桜井の肩がビクッと動き、一気に3歩くらい後ろに下がった。
「へ……?」
「あ、えと……ごめんなさい!私、極度の男性恐怖症で、その……男の人が…」
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