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「何でこんな所へ、いるのだろか…」
独軍シュナイダー少尉は双眼鏡を覗きながら呟く。見渡す限り砂漠が広がる世界。気温は40度を越え服は汗だくになっていた。
それでも双眼鏡を覗き続ける。この砂漠では先に敵を見つけるのが生き残る秘訣なのだ。
そこへ無線手が車内通信を入れた
「シュナイダー少尉、本部から入電。読みます。《中隊本部より第2小隊へ、こちらへ接近中の敵は重戦車マチルダ・マークIIを含む1個中隊と確認せり。現在位置より南に機動し、撃破せよ。》以上です。」
シュナイダーはうなずき、無線を小隊用無線に合わせた。
《こちらシュナイダー、小隊全車へ。敵戦車隊が接近。我が小隊は迎撃に入る。ハッチ閉め。小隊、前進。》
シュナイダーの戦車を先頭に、戦車5両が砂塵を巻き上げ前進する
《シュナイダーから小隊全車へ、戦闘体形に展開!》
了解。
と部下達の威勢の良い返事が返ってきた。戦車小隊は一列から逆V字になるように隊列を変える。
遥か彼方の地平線。砂塵が舞っている。おそらく敵戦車部隊が、移動しているのだろう。
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