戦闘工兵隊

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  上空に白と赤の信号弾が飛び出し、放物線を描きながらゆっくりと落下していく… 「なに!」 「撤退信号!?」 白と赤の信号弾… これは作戦の失敗、撤退を意味していた… 「どうして! 我々はまだ戦える!?」 《隊長! 我々だけで突破しましょう!》 一部の兵達が騒ぐが… 《おろかもの! 周りをよく見ろ!》 隊長の一喝で興奮状態の兵達が冷静に戻る。 この戦闘の損害の多さに作戦は中止、撤退が開始された。 戦車が歩兵の盾になり撤退を支援する。 「そこの工兵! 俺の戦車を盾にして撤退しろ!」 四号戦車の砲搭ハッチから戦車兵が顔を出し、こちらを呼ぶ。 「…くそぉ……っ!」 右手の銃剣を指が白くなるまで握り締める… 「大丈夫か、負傷したのか!」 さっきの戦車兵が大声を張り上げながら聞いてくる。 「大丈夫だ。」 戦車が装甲をたよりにギリギリまで前進して歩兵、工兵の撤退を支援する…
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