戦闘工兵隊

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  組織的な撤退から、バラバラと統制の執れない敗走に変わって行く…。 撤退を指示する指揮官がいないのだ。先の待ち伏せで対戦車砲に吹き飛ばされ、全ての中隊長が負傷か戦死しており、小隊長が指揮をとっている状況であった。 我を失った歩兵が走って逃げる。しかし、その先は… 「ば、馬鹿野郎! そっちはまだ地雷が…」 工兵の叫びも虚しく、地雷を踏み、両脚を吹き飛ばされる。 「うあぁああぁっ!」 両脚を失った歩兵が痛みとショックで泣き叫ぶ。 「衛生兵!早くしろ!」 白地に赤で十字に塗った、ヘルメットを被った衛生兵が駆け寄り、負傷兵を引きずりながら撤退する。 今回ばかりは工兵の出番は無い。 工兵や歩兵の撤退を戦車隊が支援しつつ、撤退を開始した…。
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