イワシ缶の意地

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  整備工場の奥、 駐車場に戦車3両と難しい顔をした整備小隊長が立っていた。 「どうも、整備小隊長。」 「おぅ、少尉。 受け取りだな、壊れた所は全部直した。でもな…」 整備小隊長は戦車の車体正面装甲をなぞる。 「見ろこれを… 14ミリ弾を喰らった跡だ… これが立て続けに喰らえば貫通(ぬ)けていたかもしれん。」 「……。」 「本来ならば、もっと分厚い装甲板があればいいのだが… ないからな…」 「とりあえず、土嚢を車体正面と側面に積んでおくか…」 戦車小隊長がつぶやく… ちなみに土嚢よりも装甲板をボルトや溶接で付けた方が耐弾性が高い。 土嚢は重量の割に耐弾性が低く、着弾により土嚢袋に穴が空いたり、破けたりすると中の砂が抜けてすぐに使い物にならなくなった。
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