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しかし距離が離れているうえ、装甲が最も分厚い車体正面に当たり弾かれる。
だが、被弾の衝撃は凄まじく、車載無線機が外れたりした。
シュナイダー少尉は必死に衝撃に耐える。
「くそぉ、いい腕だな!砲手、左手の奴を狙え!」
「了解、必ず当てて見せます。」
照準器を覗きながら砲手が答える
「装填完了!
徹甲榴弾、残弾37発!」
装填手が申告して次弾に備える。砲手がハンドルを回して敵戦車に照準をつける。
「撃てぇ!」
シュナイダー少尉の叫びと共に発砲、敵戦車の砲搭に命中した。しかし、命中角度が浅かったため弾かれる。
「弾いた!もう一発だ、砲搭基部を狙え!」
装填手が弾を装填し、砲手が照準を下にずらす。
「照準よし!」
「よし、撃て!」
発砲、そして車体上部に命中。がくりと停止した戦車から黒煙と共に戦車兵が飛び出す。
部下達も素早く敵戦車に命中弾を与え、撃破する。これで5対2となった。
しかし敵戦車は逃走せず、炎上する味方戦車を盾に攻撃を続ける。たとえ装甲が貫通できなくても、被弾の衝撃で機械としての戦車はこわすかもしれない。英軍戦車兵はそう考えたのだろう。
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