イワシ缶の意地

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  《よし、 目標、対戦車兵群、 距離800、撃てっ!》 「射てぇ!」 「撃て―っ!」 小隊長の号令を通じて3両の戦車が一斉射撃をした。 3発の榴弾のうち、1発は外れて砂煙を上げた。 しかし2発は歩兵群のど真ん中に着弾し、対戦車銃と歩兵を吹き飛ばす。 「くそ、 25ポンド砲、撃ち方始め!!」 すぐに25ポンド砲も撃ち返す。 しかし、小刻みに動く戦車を捉えきれず、全弾外れた。 「マカロニごときがぁっ! 対戦車歩兵に連絡、距離200から撃て。砲兵はそのまま射撃を続けろ!」 苦い顔をしながら、英軍指揮官が叫ぶ。 25ポンド砲の砲弾は弾と炸薬と別れているため、装填速度が遅い。 その隙に近づき、 砲兵ごと撃破も出来るのだが、今回は歩兵が主役だ。ガマンしなければならない。
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