イワシ缶の意地

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  《小隊長から 各車へ、砂丘を上手く使いながら野砲を避けろ!》 「停止!」 戦車長の少尉が怒鳴る。 M13は急制動をかけ、勢いをつけて前にのめった。 車体の動揺が収まった瞬間に発砲する。発砲炎を閃きながら砲弾が砂丘の彼方へ飛翔(ひしょう)する。 撃った弾の着弾を確認する間もなく、少尉が叫んだ。 「操縦手、前進しろ!」 少尉が叫んだと同時に 戦車が急速発進させながら砂丘のの陰に走り込む。 すぐに数発の25ポンド砲弾が飛来し、砂丘をえぐって砂煙を立て、奥の砂丘にも飛びすぎた1発が落ちる。 「危ない、危ない。 うかつに上に登るとああなるか…」
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