109人が本棚に入れています
本棚に追加
《ブラウン中隊長、
これで2機撃墜です!》
《よし、マーク。
次はお前だ、前へ出ろ。》
《はっ、了解です!》
ここで2機のハリケーン戦闘機は前後を入れ替わり、再び戦闘区域に突入していった。
この時の独軍戦闘機隊はツいてなかった。
始めに撃墜(おと)された2機のうち、1機が指揮官機であったのだ。
さらに次に撃墜された機体は副官機で、僅かの間に独軍戦闘機隊は指揮系統を寸断されたのだ。
もはや誰が指揮を執るのか、
誰が生き残っているのか
把握している者はいなかった。
皆が目の前の戦闘でいっぱい、いっぱいであった。
初めは10機のメッサーがいたが、既に半数も残っていなかった。
本来ならば半数も撃墜されれば、指揮官が撤退を指示する。
だが、指揮官が撃墜され、さらに次の指揮を執る者までいなくなった。
各自で撤退するまでにさらに何機かのメッサーが撃墜された。
無傷な機体は1機もなかった。
最初のコメントを投稿しよう!