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館に招かれた僕は、その道中や館の人達の様子などから、これはどういう訳か今まで自分が住んでいた世界とは違うらしい事に気付いてきた。どうやら武士が権力をもっていた時代らしい。ところで織田信長と言う人はどうして僕があそこに居る事を知り得たのだろう?
信長さんは食事を僕と一緒に取るとのことで、僕の居る部屋へ来た後、人払いをした。信長さんは笑顔で僕に話しかけた。「どうじゃ、今は頭が混乱しておろう。」僕は「ええ・・」と答えた。すると信長さんは「明日マムシが来るゆえいずれハッキリする。マムシはおぬしが熱田に来る日もわかっておったようじゃ。ところでこちらに来る前に友人から預かっているものはもっておろうの?」と聞いてきた。一瞬何を言っているのか分からず、ぽかんとしてしまったのだが、そういえば織田から渡された物を思い出し「ええ、バックの中に、でもなぜそのことを?」と聞くと、信長さんはニヤリとし、「それもマムシに会えば分かる事じゃ!」と言い、人を呼び、一人の小男を連れて来させた。「こやつは藤吉と言って機転のきく男じゃ、おぬしの身の回りの世話をさせるので何なりと申し付けよ」と言いでていった。マムシとはなんなのだろう?と思い、藤吉に尋ねてみたところ、その小さな目を当惑気味に動かしながら「美濃の斎藤道三にござる」と答えた。斎藤道三はたしか有名な戦国大名だったような気がした。なぜ斎藤道三が僕の事を知っているのだろう?ますます分からなくなった。僕はもう寝ると言い、藤吉を下げさせ、布団に入りうとうとしはじめてきたとき、ふと気付いた。信長さんと織田が同じ姓である事に・・・。
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