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「おぉ、はんべえ」唖然としている僕と対象的に織田の親父は懐かしいそうに僕の事を見ていた。「はんべー?」僕はわけも解らず呟いた。
「おっと、まだ木下じゃったな、がはははは!」と笑った。「そちの忠告とおりその仏像の後ろに門は移しといた、しかし、おぬしも今宵ばかりは予知出来なかったようじゃな!」
ぼくはなにがなんだかわからなくってただ呆然としているしか無かったが、この人は織田の親父でないらしい事はなんとなく感じていた。
そして、周りが焦げ臭く無償に熱い事に気付いた。
「あの、どちらさまでしたっけ?ここは?」と僕が聞くと、「ここは本能寺、わしは織田信長。そんなことより早く行け、そちも焼けしぬぞ!」「あのー、織田さんは行かないのですか?」と聞くと、「生憎一人用でな」とニヤリと笑った。
周りの障子と襖が燃え初めて来た。
「ささ、はよいけ!」と信長さんは言い、仏像をどけた。するとそこには中華街の例の門を小さくしたものが現れた。人ひとりがやっとくぐり抜ける事の出来る大きさだった。「信長さん、死んでしまいますよ!」と言うと。
信長さんは「是非も無い」と僕がその後の人生で忘れることが出来なかった笑顔を浮かべて言った。
その後、僕は門の前まで行き、門の左側にある手形に手をあてた。すると・・・。
キキッーと鳴り門が開いた。
僕がくぐろうとすると背後で「ワシによろしくな!がはははは!」と言う声が聞こえた。振り向こうとしたが、半身くぐったところで暗闇に包まれた。
遠くの方で「ワシとしたことが、謀叛人の名前を伝え忘れたわ!がはははは!本当に是非もないわ!」と言う声が聞こえた・・・。
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