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山に囲まれた田舎町。 地元じゃ有名な地獄坂と呼ばれる坂の上には俺の通っていた中学校。 隣には沢山の木が生い茂った広い公園がある。 季節は間もなく梅雨に入る少し前、徐々に暑さが主張し始めている。 俺は陸上部で長距離の選手だった。決して速くはなかったが駅伝の選手に選ばれて以来、走りの魅力に取り付かれていた。 あの日は週に一度の公園での走り込みの日だった。 半分以上が上り下りの厳しい全長2.5キロのコースを3周するもので練習メニューの中では一番ハードだった。 その練習中にいつもと違う風景、いや有り得ないものを見た…
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