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春の日射しに柔らかな風吹く日。
山道を風をきりながら歩く人が独り。
かさを目深にかぶり、少し早足で颯爽と歩く。
山道をすれ違う人々がいぶかしげに彼を見ている。
傘からのぞく長髪が、深い青だからである。
日差しによって変わるその青を珍しげに人々は遠目に見ている。
そして極めつけは腰にある大刀。すれ違う人々は、その異様な姿に誰一人近付こうとはしなかった。
そんな人々の間を青い髪の士は悠々と通り抜け、彼はひたすら歩く。
目指すは京都。花の都。
脇目も振らず、真っ直ぐに、ただただ進む武士のお話。
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