第三章

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どれくらい歩いただろう。 俺は夜の街に居場所を求めるようにただたださ迷い続けた。 沢山の人が笑い、泣き、酒に酔い、女に酔い、流れに身を任せていく。 この人々の中にどれだけ自分の死を覚悟している人がいるだろう? 否、ほとんどは今この時明日自分が死ぬかもしれない等と感じてはいないだろう。 俺は沢山の街の喧騒から取り残されていく感覚に陥っていった。 でも、、、言っただろ? 暗闇にだって光は射すんだ。 明けない夜なんてないように。 「何?なんかよう?」 あなたに巡り会ったその瞬間。 「あんたこの世界で自分が一番不幸なんだって思ってるでしょ?」 俺の中の暗闇の世界に、光が射した気がしたから。
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