第一章

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検査入院から4日後母は急に病室に入ってきた。 「ねえ?伸。先生がお話があるみたいなの、ちょっと来てくれる?」 「、、、そんないきなり言われても、、、」 担当医からの言葉は、いきなりすぎた。 がんが全身に転移してる?余命が3ヶ月? そんな馬鹿な、第一俺は普通の高校生だぜ、やっと3年になったばっかりだ。 どうやってこんな現実離れした話を信じろって言うんだ? しかし、母の一言で俺はこの現実離れした話を信じなければいけなくなった。 「治療法は、、、無いんですか?」 「この場合治療法としては、、、」 、、、そっから先はあまり覚えてない。 ああ。頭が真っ白になるってこういうことなんだ。 俺は今まで、死なんてもんは生から掛け離れた真反対にあって歳を重ねていくにつれ少しずつ近いていくもんだと思ってた。 違うんだ。死っていつも生と隣り合わせにあって、ふとした拍子に入れ代わってしまうものなんだ。 嫌でもそう思わされた。
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