第2章

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何を言われるのか。 何をされるのか。 母さんが罵るなら、まあ気にならない。 だって慣れてるから。 母さんにとって僕を罵ったり、人の気にしているところをチクチク突いて、いたぶったりするのは、あの人にとってただのストレス解消法でしかない… でもおじいちゃんは違う。 自分のストレスを他人に向けるなんて、はた迷惑なことはしない。 それどころか、受け止めてくれるような大きな存在だと思う。 だからこそ、僕が尊敬する唯一の人だからこそ。 嫌われたくないし、呆れられるとか面倒に思われるなんて、絶対嫌だ。 「……はーっ」 ビクッ これは… ……呆れられてしまったのだろうか……? 「あ…おじいちゃん…その…」 「帰るぞ。」 「えっ…あ、う、ん…」 顔をあげたときにはもう、おじいちゃんの身体は僕に向いてなくて、叱ってももらえないのかと思うと、どうしようもなく泣きたくなった。 .
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