【黎明期】

11/13
前へ
/119ページ
次へ
リビングでは リンが笑顔で完璧過ぎる 接客をこなしていた その様子に 何故か違和感を覚え 不安に駆られるマリィ (おかしいわ…  いつもと何かが違う  リンが私を見ない?) リンは笑顔で客の質問に 答え続けている しかし それは模範解答ばかりで リンらしさがない (不味いわ…  個性を押さえてしまった  んじゃ?  自己保存のためなら  未だ良いんだけど  もし自我を放棄したなら  リンが消えてしまうかも) 焦るマリィ 目の前では間違った認識を 基にした質問が続き リンの表情が笑顔のまま 少しずつ凍って行く… (助けてハル!) 恐怖感に襲われたマリィが 慌てて2階を見上げる その頃 2階では… ト「変だよ!  そんなのリンじゃない!」 ハ「うん その時は“未だ”  リンになっていなかった  からね」 ト「未だって…  それならいつから“リン”  になったの?」 ハ「だからそれは…」 此処に来た当初から 姿形こそ変わらないが リンはA・Iの成長と共に 個性を持ち自我に目覚めて 来た事 初期プログラムによる 稚拙な擬似人格ではなく 徐々に確固たる自我が 確立しつつある事 知識・経験共に 実際の可動年数以上に 成長している事 いずれはアンドロイドから バイオロイドに変換する 予定だと話していると いきなり 切迫詰まったマリィの 悲鳴が…
/119ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加