【黎明期】

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ハ「マリィ!  “まだ早い”と言った  と思うけどね 僕は」 ハルが苦々しい表情で マリィに吐き捨てる マ「でも!  学習は順調に進んでた  はずよ」 ハ「だから?  ワクチンも射たずに雑菌に  触れさせたのか?  これまで無菌室にいた子  なんだよ」 マ「そうね  確かにリンは自分を人間と  思ってる相手としか  接触した事がないわ  だから私は予備知識を  与えようとしたのよ」 ハ「その結果がこれか?」 ハルが指し示す先には リンの顔をした“お人形” が立っている マリィが俯き唇を噛む と、その時 リ「***、**?*…」 ト「ダッド!  リンが何か言ってる!」 マリィがリンに向かって 振り返るのと同時に ハルが静かに話し掛ける ハ「リン 何かな?  聞こえないよ(微笑」 リ「マァ・ミー」 「ダァ・ディー?」 マ「リンっ…!」 マリィが顔を歪ませて 泣き崩れる ト「ダッド…  リ…ンは  ど…うな…るの?」 トールが 声を震わせて聞く ハ「正直 解らない  プログラム損傷の  度合いにも拠るが  最悪の場合…」 ト「リ、リン  い、いなくなる?  し、死…んじゃ…う?」 泣くのを必死にこらえて 質問を続けるトール 救いを求めて縋る目に 困惑するハル… ハ「リン…  まさか初期化しちゃった  のかい?」
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