【ロボット三原則】

2/12
前へ
/119ページ
次へ
ハ「“ダディ”か…  リンが此処に来て初めて  僕を呼んでくれた時の  言葉だな(苦笑」 遠くを見つめるようにして リンとの出会いを話す トールはリンの隣に立ち 手を握って聞いている 今、その手を離したら リンが消え失せてしまうと でもいうように ハ「リンと出逢ったのは  ラボ(研究所)のいちばん  奥の部屋で…」 ハル達に紹介されたリンは 綺麗なだけの人形だった 初期データも基本的な動作 とサンプルの言葉のみ 新米研究所員というより 未だ研修生だった二人に 貸与えられた玩具のような 代物だった そのリンが普通のロボット と違っていたのは 【アシモフの三原則】が 組み込まれていない点だけ そしてそれこそが この高価な玩具がハル達に 貸与された理由だった 何故なら彼等のレポートの 根幹ともいえる A・Iに関する大胆な仮説を 証明するためには彼女が 必要不可欠だったから ト「でもダッド なんで?  どうして三原則が  組み込まれてないの?」 ハ「その前に  三原則は解ってるね?」 ト「うん  最初の授業で習ったよ  人間の生命を護る事と  命令を順守する事と  その2つに反しない限り  自己防衛する事  だよね?」 ハ「簡単だな(苦笑」 ト「だって…」 ハ「まあいい  理解してれば(笑」
/119ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加