【ロボット三原則】

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寝室に向かいながら 早口で確認するマリィ なんとか挽回したいと 思っているがその方法が 見つからず焦っている マ「ねえ ハル?  何か策が…」 ハ「いいや 未だ何も  ただ  損傷の程度を確認したい  と思ってる  もしかしたら…」 マ・ト「「もしかしたら?」」 期待の込もった 2人の声が重なる ハ「いや  憶測は止めておこう  先入観は判断を誤る」 (上手く行けば戻せるか? もしかしたら無事かも…) 寝室の扉の前で 立ち止まった3人が 互いに頷き合う ハ「いいね?  今度は黙っていてくれ」 ト「うん」 マ「約束するわ」 ハ「じゃ 入ろうか」 ト「待って  リンは中に居るの?」 マ「そうね  静か過ぎるわ」 ハ「居るよ」 ハルは部屋の中も確認せず 事も無げに答える ト「どうして?  まだ上に居るのかも  知んないよ」 マ「いいえ  やっぱり中に居る筈よ」 ト「マミー達  なんで解るの?」 マ「それは 今のリンが…」 口籠もるマリィに代わって ハルが答える 現時点で表層プログラムを 使っているリンは自分自身 に《ロボットで在る事》を 課しているという事 そしてそのプログラムは “あくまでも” 忠実で従順な《機械》 で在ろうとするもの だろうという事 ハ「たぶんリンは  ベッド脇に居ると思うね  いいかい 入るよ?」 トールとマリィが 固唾を飲んで見守る中 ハルがゆっくり扉を開く
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