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トール「ねえ リンは?
どうすんのさ」
リン「煩いなぁ…
そんなこと トールは
気にしなくていいの!」
ト「ごめん…(;_;)」
リ「別に泣かなくても
いいじゃ…」
ト「だって さ(ノ_・、)」
リ「しっ!
ダッドとマミー起きちゃう
じゃん
もぅ 眠るよ」
ベッドが並ぶ子供部屋
壁には今どき珍しい
鳩時計が時を刻んでいる
頭までブランケットに潜り
独り呟くリン
(トールは いい
ホントのパパとママのトコに
帰れるんだから)
ト「リ~ン…
僕と行こ?」
リ「……」
ト「僕…
リンと離れたくない」
リンはケットを被ったまま
か細い声で応える
リ「仕方ないよ
ダッドとマミー
別れるんだもん
だけど
心配しなくていいよ
トールには パパとママが
迎えに来るから」
リンは特に意識して
優しい声で話しかける
リ「さぁ もぅ眠ろ?」
ト「うん…
おやすみリン」
リ「おやすみなさい」
それでもトールは眠れずに
ベッドの中で考え続けた
(リンと僕 なんで一緒に
いられないんだろ…
僕が行っちゃったら
リンはどうなるの?
ダッドとマミー
何で別れちゃうのかな)
2人は
盗み聞きした両親の
断片的な会話の中にあった
聞き慣れない単語を
朧気ながらも思い浮かべ
息を潜めて互いを伺う
互いに何故か解らないが
相手に言いだせず
個々の思考に墜ちて行く
トールの啜り泣きだけが
微かに漏れる子供部屋
静かに更けて行く夜
時計の音だけがいつまでも
トールの啜り泣きに重なる
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