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「さっ、買い物してこれ以上厄介なことに遭遇する前に帰りましょ!」
「あ。あたしチャンじぃさんとこの中華食いたい」
「ダメ」
「なんで!いーじゃん別に、食ってっちゃえばバレないって」
「あんたねぇ、16にもなってなんつー台詞吐いてんのよッ、ガキじゃないんだから」
「そもそも16の女が、大の男に名前だけで逃げ出されるかっつの」
不満げなユナの声には耳も傾けず、アリスはマヤを連れてさくさくと歩き出した。
反対はされたが、中華料理は必ずゲットしてやる。
その意思を隠す気もないユナは、鼻歌まじりに二人の後を追った。
ユナにとって、これが普段の、ごくありふれた一日の風景であった。
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