その1

5/5
8人が本棚に入れています
本棚に追加
/54ページ
さて6時半になった。 ごはんもできたし… そろそろ彼を起こさなくては。 「徹弥、起きて。」 とりあえず普通に声をかける。 「ん~…」 彼・徹弥は寝起きは悪くないが起きてすぐの機嫌はすこぶる悪い。 ん?それって寝起き悪いってこと? …まぁいいけど… 「徹弥さ~ん…学校遅れますよ~う」 「ん~…起きた~…」 どうみても寝言の域だ。 「ウソツキ。遅刻するぞっ!おりゃっ!」 徹弥から布団を無理やり剥ぎ取る 徹弥は勢いよくベッドから転がり落ちた。 「…あぁ…かなみ…おはよう。」 「やっと起きた?支度しないと。学校遅れるよ。」 「メシは…?」 「むこう」 「作ってくれたんだ。やっほ~う」 そう言って徹弥は飛び起きた。 まぁたまには調子よく起きてくれる日もあるみたいね… ふたりで朝ご飯を食べて、学校へ行く。 それだけのことが私にとっての最大限の幸せだった…んだけどなぁ…
/54ページ

最初のコメントを投稿しよう!