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眼前の壁
差し出される手を待ち
差し出される手を払う
膝を抱え蹲り
夜が明けるのを待つ
待ちわびた陽の光は強く
我が身を照らし粉と変える
幻想的な自傷は止め処無く
それは溢れる水の如く
その実,只の感傷に過ぎない
人と違うことに意義を見て
何故我は人として居るのか
否定は容易く
肯定は微塵の慰めを持たない
暗く濁った眼に何が映るか
力無く垂らされた手に
何が掴めるか
生気無く俯いたその顔に
表情はあるか
意志を持たずに
ただ耐え忍ぶのは
屍と同じか
もとより
何に耐え忍んでいるのか
耐え忍ぶ
己の姿に酔ってはいないか
さあ首を擡げろ前を見ろ
眼前に道も平野もあると思うな
眼前の壁を崩して
進め
進め
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