14人が本棚に入れています
本棚に追加
「お帰りなさいませ、狼祈様。」
「ああ、ただいま。お梅さん」
「早かったなぁ」
・・・親父。
「・・・ああ。」
「お梅さん、ご飯を持ってきてくれ」
「畏まりました。」
「父さん、明日は帰れそうにないから。」
またか。
そうやってお袋も追い出したんだ。
今はまだだ。まだ物分かりのいい息子のふりをしろ。
「わかったよ、お仕事頑張ってね。お父さん」
嘘笑いでそういうと親父は傷付いた顔を一瞬見せて
「ああ。」
とだけ言った。
知ってるさ。不倫相手の所にいくんだろ?
だから後ろめたいから俺にたくさん金や物を送る。
自分の気を満たしたいだけだ。
こいつは、敵だ。
そういえば今日会った純は変な奴だった。
なんだろう、この気持ち。
あいつなら、純になら全てを話せるかもしれない。
最初のコメントを投稿しよう!