お昼ご飯、時々、ケンカ。

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イチ「呼音、俺が素直な呼音にしてあげるから。大丈夫だよ。」 ……? 意味が分からなくて、呼音は首を傾げる。 素直な呼音にしてあげるって? 今まで頑張っても無理だったのに? 『……どういう事だよ?』 そんな事が出来るのなら、できる限り頑張りたい。 あまのじゃくな性格も、無表情な顔も、口が悪いのも、全てどうにかしたかった。 こんな性格じゃなければ、風音の事も怒らせずに済んだはずだ。 壱は、全てを見通すように微笑んだ。 イチ「今はまだ内緒。 ……放課後、一緒に帰ろうか?」 何故このタイミングで下校の話をされるのか分からなかったが、意味のある事だと受け取った。 『……一緒に帰れば教えてくれるのか?』 イチ「ん~…。 そうだね。呼音、可愛いから。」 可愛いからって、理由になってない。 戸惑いよりも、壱が自分をどのように変えてくれるのかが気になる。 イチ「一度YESと言ったら、後戻りはできないよ。その代わり、呼音に後悔はさせない。……どうする?」 呼音の答えは決まっていた。 『……わかった。壱を信じてやる。その代わり、何が何でも変えてみせろよ。』 その言葉を待っていたかのように、壱は意地悪く微笑んだ。
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