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トヤマ「うぃ~。授業始めるぞ~。速攻席つけ~。」
外山の声で、皆が席に着く。
5時間目のLHRの時間。
今から席替えと、各委員会の担当を決めるらしい。
皆、仲の良い友達と「委員会何にする?一緒にやろうね!」「窓際の一番後ろ最高じゃん!」なんて話している。
クラスに馴染めない呼音には、あまり興味の湧く事ではなかった。
風音は、目を合わせる気すら無いらしい。
呼音は、お昼なんて一緒に食べるんじゃなかったと、ずっと後悔していた。
トヤマ「担任である外山先生の初めての授業で嬉しいか?皆!」
「先生勘違いです~」
呼音の心とは裏腹に、教室はホンワカした雰囲気だ。
トヤマ「とりあえずだ。先に席替えするから、皆、この箱の中にあるクジを引いてくれ~。窓際の一番前の席から1、2、3……として、クジに書かれた番号の席に座りやがれぃ!」
一番最後に呼音がクジを引く。
最後なんだから別に引かなくてもいいんじゃないのか?とも考えたのだが。
クジの番号と、教卓の上に置かれた座席表との番号を見比べて、席を移動する。
呼音の席は、真ん中の列の一番後ろ。
あまり目立たない席で良かったと、安心したのも束の間だった。
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