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いきなりの壱の言葉に、呼音は思わず叫んだ。
『壱っ…、てかアタシにはぜってぇ無理だからっ!』
初めて聴く呼音の叫び声に、クラスメイトはビックリしていた。
トヤマ「先生はいいと思うぞ~?」
他人事だと思って!
呼音は更に叫んだ。
『いやっ、アタシには無理なんです!他の子の方がいい!』
肩で息をしながら俯く呼音の隣で、小さな声が聞こえた。
カザネ「……やってもねぇのに無理って言う奴、マジ根性無し。」
……ブチッ
呼音は、風音に言われた事にキレてしまった。
『……やる。アタシ、生徒会に立候補する。』
そう聴くと、外山は生徒会の立候補を締め切り、委員会決めに移った。
呼音は席に座ると、風音にだけ聞こえるように言った。
『……アタシは根性無しって言われるのが大嫌いなんだよ。これでいいだろ?アタシが生徒会役員になる所、お前に見せてやるよ。』
風音は少し驚いた様子だった。
生徒会役員選出まで、時間が無い。
こんな自分がどうすれば選ばれるか?
風音に向けられていた視線を机に移し、呼音は考え始めた。
壱は優しく微笑み、風音は面白そうに笑っていた。
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