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母親の妹に手を引かれ母親のベッドの横にきた。その時ちょうど真ん中兄が病室についた。兄はどういう状態なのか知らない。気が狂ったように母親の頬を両手で叩き始めた。
兄「おいっ!おいっ!」
僕と一番上の兄がその手を止め、今までのことを話した。
母親の妹「3人で手を握っててあげて。」
僕たち3人は優しく手を握った。
その状態のまま一時間がたち、ふと母親の顔を見た時、まぶたがかすかに動いたら。
慶太「今まぶたが動いた!!」
みんな一斉に母親の顔を見る。
確かに母親はまぶたを開けようと必死に頑張っている。その時母親が何か言った。
恵子「お父さん…。ありがとう…。」
そばにいた親父が泣き崩れながら母親に覆い被さった。
親父「…恵子ー!!頑張った…。ありがとー!…」
言葉は少ないがこの夫婦は世界一の夫婦だと思った。自分が死ぬ間際、人に「ありがとう」と言えるだろうか。
こんなドラマみたいな展開が続くわけがなくその後すぐに母親は静かに息を引き取り冷たくなっていった。
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