突然

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2ヶ月が過ぎ、普段と変わらない生活が続き、母親の病気もいつものように忘れかけていた頃、部室で友達と飯を食べていたらまた親父から電話が来た。 母親がまた入院とのことだった。 「またか。」その時はそれだけしか思わなかった。呆れるくらいの馬鹿だ。 それから学校が休みの土日前には必ず父親から電話があり、 親父「土日は部活やすみか?休んでもいいなら休みもらって病院に見舞いに来い。」 という電話がかかってくるようになった。僕は休もうと思えばいくらでも休めたが部活の方を優先してしまった。 毎週、毎週録音テープの様にその会話が繰り返された。 だが、その時は突然やって来た。 いつものように部室で飯を食べていたらまた父親から電話があり、いつものことと出るか出ないか迷ったがとりあえず出た。 いつもと違う声、痛い声で親父が話し始めた。 親父「今から学校早退して病院に来い。」 慶太「なんかあったん?」 親父「話したいことがあるから…。」 慶太「わかった。」 僕は内容もわからないまま電話を切り、担任の先生に事情を話し病院に向かった。 向かう途中に3人兄弟の真ん中の兄から電話があり、 兄「聞いた?今向かってんの?ていうかもうヤバイの?」兄が早口で言う。 慶太「よくわかんないけど親父が話があるて言ってたから死ぬとか死なないとかの状態じゃないんじゃない?」 兄「そっか。」 そう言って兄は電話を切った。僕も病院に向かう。
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