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カチャカチャ
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
無言で食事が進んでいく。
「・・・・・おいしい」
最初に沈黙を破ったのは先生だった。先生はボソリと感嘆の声を漏らす。
「え?」
「悔しいけど美味しいじゃないのよっ!!」
先生はパスタを口に運びながら、ぶっきらぼうに言い放った。
「あ、うん」
「このパスタに免じて今日は許してあげるわ。でも次やったら出てくからね!!」
「あ、ありがとうございます」
あれ?先生居候の身だよね?
しかし、そんなこと今はどうでも良い。俺は先生が機嫌を直しただけで良かったんだ。
「あっ」
「ん?なによ?」
「先生、今度の休みの日だけ家空けてくれない?」
「出てけってこと?」
一瞬キョトンとした先生は少し眉間に皺を寄せながら言った。
「うーん、まぁ・・・そういうことに・・・なるかな」
苦笑いしながら先生の顔を窺う。
あっ俺すっごい睨まれてる・・・・。
「うぼふぇっ!!!?」
いきなり吐き気と腹部に強烈な痛みが走る。
見ると先生の拳が俺の腹にめり込んでいた。
「死にさらせ!!」
声トーンを低く言う先生のダークな1面を垣間見れた気がする。
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