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ミーンミーンミーン
あ、暑い…
「…であるから……でして……」
もはや教壇の先生の話なんて耳に入らない
長かった夏休みも終わり、新学期が始まった。クラスの大半は部活に勤しんだり、海にでも遊びに行ったのだろう。小麦色の肌がさらに暑苦しさを演出する。
俺の夏休みはこれといったイベントも無く終わった気がする。
1回だけ友達と夏祭りに出かけたくらいかな?
彼女がいる訳でも無いので、あとは家で過ごすかバイトという面白みの無い夏休みだったなぁ
そういえば、夏休みが明けてすぐに教頭先生が退職したらしい。
流行の田舎ライフを満喫するそうだ。新しい教頭はまだ決まって無いけど、このクラス担任の新井先生が有力候補らしい。今年で52になる新井は禿げ散らかった頭とでっぷりとした身体のおっとりした数学の教師だが経験や実力から適任らしい。
まったく。教頭もいきなりすぎんだよ!
3日後、正式に新井の教頭昇格が決定され集会が開かれた。
しかし、新井の話などもはや誰も興味が無かった。
生徒全員は新しく来る新任教師で頭いっぱいだ。
「では、次に新たにうちに赴任された先生を紹介します!」
校長はニコニコ顔で新しく来た先生をステージに招き挨拶させた。かなり若めな女性だった。
「どうもこんにちは~。新しくこの学校でお世話になることになりました五島 美鈴です♪みんなよろしくね~♪」
そう言って先生はVサインを決めた。
・・・結構な自由人らしい。
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