再会ーSaikaiー

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「それよりさー、単車なのにこの大荷物どうするの?」 美咲さんの動きがピタッと止まる。 ははーん、やはり考えてなかったな? 「…忘れてた」 ポリポリと頭をかく美咲さんは、とても可愛かった。 「どうしよっか?」 「んー、ちょっと待ってね…確かにこの近くに住んでる後輩がいたような…」 「キャバの?」 「うん、キャバの…」 そう言いながら、携帯のアドレスを開いて見ている。 名前見ると住所思い出すのだろうか? まさかな…そんな変わった記憶術があるわけ 「あっ!この子だ! 苦手な子なんだけど仕方ないかぁ」 あったみたいです。 「なぁ美咲さん、その記憶術を僕に伝授していただけないか?」 「はぁ? 何言ってんの?」 そう言って、電話をかけ始めた。 「もしもーし、千瀬? 千瀬の家って千台駅の近くよね?」 キャバか… 仮に美咲さんの事が好きだと仮定しよう。 その場合、好きな人がキャバ嬢って事になる。 どうなのコレ? 脈とかなさそうだよね? 俺の脈もなくなりそうだよ。 「晶、荷物は預かってくれるって。 今から届けに行くの手伝って?」 電話を終えた美咲さんが言う。 断れるわけないじゃないか。
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