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「ごめん、待たせた」
素直にそう言って、深く頭を下げた。
「よせよせ、俺達は兄弟分だろう?
またここで逢えた。
それで十分だ」
頭を上げると、また笑っている瑛二がいる。
腕を掴まれて振り返ると、美咲さんがハァハァ言いながら立っていた。
「なんなのよ、急に走り出して」
「ごめん!
懐かしい人を見つけて…」
懐かしいという言葉に反応する美咲さん。
昔の悪い友達だと疑ってるんだろうな…。
「友達って…」
「違うんだ、瑛二は違うんだ。
祖父さんに引取られて友達のいなかった俺と友達になってくれて、祖父さんのために俺と一緒に泣いてくれた無二の親友で…」
驚きの表情に変わっていく美咲さん。
「じゃあ、中学校からの友達の?」
「そうだよ、だから瑛二は違うんだ」
ごめん、半分嘘をついている。
確かにもっと昔からの友達だけど、美咲さんが疑った懐かしい友達の中に…
瑛二もいる。
「初めまして、瑛二と申します」
瑛二は頭を下げる。
「美咲です。
…なんか…変に疑ってごめんなさい」
美咲さんも頭を下げる。
「二人共、いい加減頭を上げなよ」
「しかし驚いた…。
まさか晶にこんな超絶美人な彼女がいたとは…」
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