約束-Yakusoku-

9/9
5人が本棚に入れています
本棚に追加
/51ページ
「…いいぞ。 やるよ、ホスト」 「…本当かっ!? 絶対だなっ!?」 瑛二は本当に嬉しそうに、けど焦るように聞いてきた。 瑛二も悩んだんだろうな。 「冗談は言っても嘘は言わねぇよ。 俺は瑛二を裏切らない」 「すまない! 恩に切る!」 瑛二は手をテーブルについて、テーブルに額を当てて感謝してくれた。 「でも本当に時間はくれ。 ホストには絶対なる。 けど、つけなきゃいけないけじめがある」 俺は本気な表情で瑛二を見る。 瑛二も手をついたまま顔をあげ、真っ直ぐ受け止めてくる。 「分かってる。 社長さんと会社の事だろ?」 「うん…いや、社長というより家族だ。 社長も奥さんも、本当に両親のように思ってるよ」 そうか…そう微笑みながら言う瑛二は、昔のままの瑛二だった。 「晶ー、パパを説得するのは大変よぉ?」 美咲さんが手をヒラヒラさせながら言う。 「が…頑張るわ」 「晶、一緒に俺も行っていいか?」 「んぁ? まぁいいけど。 社長にも紹介したいしな」 その日はそのままガンガン飲んだ。 気付いたら自分の部屋で瑛二と美咲さんと寝てた。 なぜか右手に居酒屋のコップを握ったまま。
/51ページ

最初のコメントを投稿しよう!