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「アランを撃ち抜いてからウォッカ野郎に向けますわ」
「野郎て……言葉が丁寧なのか汚いのかわからないんですが」
「そろそろおしゃべりはおしまいだ。グルジア軍が動き出したぞ」
操縦桿を握り直し、息を吐く。実戦は対テロリストで経験したが、歩行戦車同士は初めてだ。こんなにも手が震えるなんて。
モニターには味方部隊の動きが一目瞭然である。3つのグルジア軍歩行戦車小隊は、戦車などからなるロシア軍部隊に直進していく。危ないな。実戦は初めてなのに、まともにぶつかるのは危険すぎる。
通信により、3つのアメリカ軍歩行戦車小隊たちに命令が下された。
「第04小隊は左回りでロシア軍に攻撃を仕掛ける。全員死ぬなよ」
『了解しました』
第04小隊3機のマヴェリックは、自分を始点とする逆三角形の隊形で進撃する。
その間にも、C‐T1からなるグルジア軍が戦車部隊に攻撃をしかける。しかし、1機のC‐T1が頭部センサー類に砲弾の直撃を受けて離脱。ふらふらと左に進む。あぁ、こりゃダメだな。
ロシア軍もそう思ったのか、後方に待機する歩行戦車部隊が、左右から接近するマヴェリック部隊へと進む。
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