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―――4月
あたしは、大分東京の生活にも慣れ、入学式を明日に控えていた。あれから、まだ健とは連絡をとっていない。
『どうしてるかなー』
わたしは、ふとつぶやいた。そしたらなんだか急にみんなに会いたくなって、叉夜に電話をかけていた。
「――…もしもし?ゆう?」
『叉夜ーっ!久しぶりっ!なんかさ、急に声聞きたくなっちゃって。どお?みんな、元気してる?』
「うん!みんな元気だよー。」
『健、、、は?』
「うん。元気だよ!だけど、ときどきちょっと寂しそうかな。…ゆう。健に連絡してみたら?たまには、いいんじゃない?」
『………ううん。だめ。絶対戻りたくなっちゃうから。』
「そう?ならいいけど……。なんかあったら、あたしに言うんだよ?」
『うん!ありがとう』
「したら、明日の入学式頑張ってね!」
『うん!ばいばい』
電話をきった瞬間、あたしは泣きだしてしまった。健……。元気だして?あたしはもう、そこにはいれないんだよ。あたしのことなんて、忘れて?
そんなことを思いながら、あたしは眠りについた。
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