はじまり

3/6
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/9ページ
―――入学式当日 あたしは、いつもより早く起きた。新しい制服に袖を通して、準備完了だ。今日は入学式だし、ちょっと早めに行かないとって思って。まだ家も出てないのに、なんだか緊張してきた。 あたしがこれから通う高校は、歩いて30分ほどだ。中学からみたら、ちょっと遠くなった。 『いってきまーすっ!』 いろんな想像をめぐらせながら、あたしは家を出た。 学校に行く道だけは、完ぺきに覚えたもんねー。公園のとこまがってー、コンビニ通ってー、ここの角まがったら……見えた!あたしがこれから毎日を過ごす学校…光星高校。 わたしはついキョロキョロしながら歩いていた。 (かわいい人いっぱいいる~。先輩方かっこいいなぁ……) ドンッ!!! 『きゃっ……』 あたしは、誰かにぶつかって、転んでしまった。 「あ、ごめん。大丈夫?けがとかしてない?」 『あ、はい、大丈夫で…』 「ひざっ!すりむいてんじゃん。血、でてるよ?ちょっと来て?保健室いこ!」 『あ、あの、大丈夫ですって…』 「いいから。…あ、ごめん、怪しい人じゃないからね?俺の名前は神崎和也(かんざき かずや)。2Aだ。よろしくな。」 神崎さんは、あたしの手を取って、どんどん引っ張っていった。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!