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―――入学式当日
あたしは、いつもより早く起きた。新しい制服に袖を通して、準備完了だ。今日は入学式だし、ちょっと早めに行かないとって思って。まだ家も出てないのに、なんだか緊張してきた。
あたしがこれから通う高校は、歩いて30分ほどだ。中学からみたら、ちょっと遠くなった。
『いってきまーすっ!』
いろんな想像をめぐらせながら、あたしは家を出た。
学校に行く道だけは、完ぺきに覚えたもんねー。公園のとこまがってー、コンビニ通ってー、ここの角まがったら……見えた!あたしがこれから毎日を過ごす学校…光星高校。
わたしはついキョロキョロしながら歩いていた。
(かわいい人いっぱいいる~。先輩方かっこいいなぁ……)
ドンッ!!!
『きゃっ……』
あたしは、誰かにぶつかって、転んでしまった。
「あ、ごめん。大丈夫?けがとかしてない?」
『あ、はい、大丈夫で…』
「ひざっ!すりむいてんじゃん。血、でてるよ?ちょっと来て?保健室いこ!」
『あ、あの、大丈夫ですって…』
「いいから。…あ、ごめん、怪しい人じゃないからね?俺の名前は神崎和也(かんざき かずや)。2Aだ。よろしくな。」
神崎さんは、あたしの手を取って、どんどん引っ張っていった。
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