変人刑事！山部の事件簿

＃３

「一昨日２７日の昼間11時30分ごろにここで火災が発生しました。

すぐに近所の住人が通報しましたが消防車が着くのが遅れ、家は全焼。

そして、その時家にいた中川五郎さん３５歳が焼死体で発見されました。

火元は被害者が寝タバコを吸ってそれが何かに燃え移ったというのが鑑識の見解です。それと被害者はその当日、休日だったので寝ていて逃げ遅れたのではというのが最初の見解でした。」

２人は家の二階の火災現場に立っている。

木村がその時の状況などを説明する。

火災現場は夫が一人で読書をする部屋だったらしい。部屋の広さはだいたい8畳ほどだった。

焼け焦げた本棚や燃えてほとんど灰になった本がたくさんある。それとお菓子の袋のゴミの燃えカスもある

あとは煤だらけの真っ黒になったノートパソコンやコンビニなどに置いてあるような業務用の大きなプリンターがあった。

そしてその下には一枚の写真が挟まっていた。
山部がそれを抜き取って見る。

「結婚当時のものですかね」

木村がその写真を見て言った。

その写真はこの家の夫婦、二人が顔をくっつけて結婚指輪をこちらにかざしながら写っているものだった。