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家は、マンガにあるような
固い苦しい家だ
僕は、長男に生まれて
この家の、歴史をまなび
この家の、しきたりを仕込まれ
何一つ不自由なく生きてきた
僕は、空っぽの人間
家と言う紐に吊り下げられた人間
そんな僕は猫になりたい
風の吹くまま
気の向くまま
夜には、空に向かって
その美しい歌を唄ってみたい
河辺の水を、飲んで
寝たいときに寝て
百の名前と百の飼い主
の一人の膝上で死にたい
僕は、猫に聞きたい
君は、僕になりたいかい
答えてくれないけど
いつか答えてくれる
その日まで
そのキレイな声で
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