朱き騎士の帰還

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突然現れたAGに皆が皆、一様に驚くしかない。 漆黒のフロンティアは荒々しくも、しかし繊細な操縦でフライワーカーを墜としてゆく。 白銀のスティンガーは、速度を落とさずに弾を撃ちながら、ギリギリまで近づき躱して墜とす。 二機共、性能が半端じゃないのが判る。 終わってみれば、200にも届くだろうフライワーカーやグランワーカーの群れの大半が潰されていた。 ハーケンも量産機とはいえ悪い機体ではないのだろうが、300年前から一線級の蓄積を持つ機体には及ばなかった様だ。 月乃杜と東條の技術力の差もあるのだろうが。 戦闘も終わり、源治達は搭乗機から降りていた。 「そこの機体の隊士、降りてきて貰えないか?」  助けて貰ったとはいえ、相手が正体不明な事には変わらず、源治は勧告する。 白銀の機体のハッチが開いて、隊士らしき者が降りて来る。 メットを取ったその顔は、フィオと呼ばれるウェイブ掛かった長い銀髪に、目を閉じた少女。 「「フィオ!?」」 「やはりそうか。二機居るから、もしやと思ったが」 そして、漆黒の機体フロンティアからも隊士が降りて来た。 メットを取った顔を源治は識っていた。 「そしてやはり貴方でしたか……新隊長殿」 「「はぁぁぁっ!?」」 源治の言葉にヘリオンもセリアスも驚く。 輸送機と共に墜ちたと思っていた新隊長が、此処に平然と現れたのだから。 .
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